シャント手術後の入院期間について ―― なぜ人によって違うのか ――
シャント手術の入院期間は、人によって違います。
不安に思われる方も多いので、理由を説明したいと思います。
シャント手術のみが目的の場合、
広瀬クリニックでの入院期間は、多くの場合1泊入院です。
ただし、患者さんの状態によっては、
もう少し入院期間が長くなることもあります。
なぜ入院期間が長くなることがあるのか
① 出血が少し多い場合
ご自身の動脈と静脈をつなぐシャント手術では、
出血が原因で入院が延びることは、ほとんどありません。
一方、人工血管を用いたシャント手術の場合には、
手術の特性上、出血がやや多くなることがあり、
1~2泊ほど入院が延びることがあります。
② シャントの血流を、もう少し確認したい場合
シャントの血流が少ないと、
血液透析を行うのに十分でないことがあります。
そのような場合には、
点滴を行いながら血流の状態を観察することがあります。
この点滴は、継続的に行う必要があるため、
結果として入院期間が延びることがあります。
私が考える「入院期間」について
私は、入院期間はできるだけ短い方が良いと考えています。
シャント手術後、出血が落ち着いていれば、
1泊入院で大きな問題になることは、ほとんどありません。
多くの方にとって、
入院生活よりもご自宅で過ごす方が気持ちが落ち着き、
日常や人生を楽しめるのではないでしょうか。
私は、これはとても大切なことだと思っています。
また、3~4日ほど安静が続くと、
筋力が低下したり、関節の動きが悪くなったりする
可能性があるとも言われています。体力の低下を防ぐためにも、
できるだけ早く元の生活に戻ることが望ましいと考えています。
特にご高齢の方では、
住み慣れた場所で、いつもの生活リズムを保つことが、
元気に長く過ごすための大切なポイントだと思います。
それでも、入院を延ばすことがある場合
一方で、
「今日はもう一晩、様子を見るべきだ」と判断した場合には、
迷わず入院を延ばします。
その場合でも、可能な限り短い入院期間にしたいと考えています。
やむを得ず入院が長くなるケース
以下のような場合には、シャント手術以外の理由で、
入院が長くなることがあります。
- 肺炎や心不全など、他に入院で治療すべき病気があるとき
- 腎機能が急激に悪化して、緊急で血液透析を開始した後に、シャント手術を行う場合
シャントは、手術後一般的に2週間ほど経ってから使用可能となるため、
その間は退院できないことが多いです。
このような状況を避けるため、
シャント手術は計画的に行うことが一般的です。
最後に
ここでは、
シャント手術後の入院期間について、基本的な考え方をお伝えしました。
患者さんの状態や環境、
担当医の判断などによって、
入院期間にはさまざまな違いがあります。
私としては、
必要な治療をきちんと行ったうえで、
できるだけ早く退院し、
日常に戻って人生を楽しんでいただきたい、
と考えています。
医療法人陽蘭会 広瀬クリニック
廣瀬 弥幸
