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人工血管(AVG)の種類と選び方|ePTFEと早期穿刺型の違いをシャント医が解説

[2026.07.30]

 

人工血管(AVG)には種類があります。

現在主に使用されているのは、ePTFE製人工血管と、
早期穿刺型人工血管として用いられるポリウレタン製人工血管です。

どちらも優れた人工血管ですが、
使用開始までの期間や止血のしやすさ、扱い方などに違いがあります。

前回の記事では、

「どのような患者さんで人工血管を選択するのか」

についてご紹介しました。

 

今回は、

患者さん・透析スタッフ・術者の、

それぞれの視点から、人工血管の違いをご紹介します。

なお、記事中には比較しやすいよう表も掲載していますので、ご参考になればと思います。

 

患者さんから見た違い

者さんにとって最も大きな違いは、
止血しやすいこと
早く透析に使えること
だと考えています。

以下で、それぞれについて詳しくご説明します。

 

患者さんの視点から見た、広瀬クリニックの考え方

患者さんの立場からすると、

「早く使えること」
「止血しやすいこと」

が最も大きな違いだと考えます。

早期穿刺型人工血管では、

・手術翌日から透析を開始できる場合がある

・カテーテル使用期間を短縮できる場合がある

・入院期間を短縮できる場合がある

という利点があります。

さらに、

止血しやすいため、

ご自宅へ帰ってから出血する心配が少なくなります。

特に、

・高齢の方

・一人暮らしの方

・ご家族が日中不在の方

では、

安心につながる大きな利点だと考えています。

 

こちらは、実際に針を抜いた直後の人工血管の写真です。

図 同じ太さの透析針を抜いた直後の人工血管の比較

左上:早期穿刺型人工血管(ポリウレタン製)に針を刺したところ
左下:ePTFE人工血管に針を刺したところ

右上:早期穿刺型人工血管(ポリウレタン製)から針を抜いたところ
右下:ePTFE人工血管から針を抜いたところ

早期穿刺型人工血管では、針を抜いたあとに穿刺部が閉じやすく、針穴が目立ちにくくなっています
一方、ePTFE人工血管では、針を抜いたあとも穿刺部が開いた状態となっています。

このような構造の違いが、早期穿刺型人工血管で止血時間が短くなる理由の一つと考えられています。

(※画像提供:飯田橋春口クリニック 院長 春口洋昭先生)

 

析スタッフの視点から見た、広瀬クリニックの考え方

一方、

透析スタッフの立場では、

早期穿刺型人工血管は、

穿刺時の感覚に慣れが必要です。

また、

エコーでは人工血管内の状態を直接確認しにくいという特徴があります。

しかし、

血流測定などから狭窄部位を推測することは十分可能であり、

適切な管理はできます。

また、

止血は非常に良好です。

メーカーの説明文書でも、

「軽めの圧迫で約5分」

が目安とされています。これはePTFEよりかなり短いです。

止血時間が短くなることは、

患者さんの安心だけでなく、

透析室全体の業務負担軽減にもつながります。

高齢患者さんが増えている現在では、

こうした点も人工血管選択の重要な要素だと考えています。

 

術者の視点から見た、広瀬クリニックの考え方

早期穿刺型人工血管は、

「扱いにくい」

「ePTFEより硬い」

と言われることがあります。

しかし私は現在、

早期穿刺型人工血管を使用する機会が多いため、

むしろePTFEを「柔らかくて少し気を遣うな」と感じるくらいです。

手術は慣れの要素が大きく、

経験を持っておられる医師であれば十分対応できると考えています。

一方で、

私は早期穿刺型人工血管では、

血清腫がほとんど問題にならないことは、

実際に手術を行う立場からすると非常に大きな利点だと感じています。

頻度は高くありませんが、

一度起こると治療に苦慮することがあるためです。

 

当院での考え方

人工血管には、

それぞれ長所と短所があります。

どちらが絶対に優れているというものではありません。

医師によって考え方も異なりますし、

施設によって採用している人工血管も異なります。

現在、長崎県でも早期穿刺型人工血管を導入している施設はまだ限られており、
当院を含めて3施設です(2027年7月時点)。

当院では、

患者さんの

・年齢
・血管の状態
・生活環境
・透析開始までの時間
・予想される入院期間

などを総合的に考えて選択しています。

私は、

高齢化が進む現在では、

早期穿刺型人工血管という選択肢を、

もっと多くの患者さんや医療者に知っていただくべきだと考えています。

もちろん、
すべての患者さんに適しているわけではありません。

しかし、
入院期間やカテーテル使用期間を短縮できる可能性があり、
高齢の患者さんでは大きなメリットとなることがあります。

 

最後に

ePTFEも、早期穿刺型人工血管も、
どちらも優れた人工血管です。

大切なのは、
人工血管そのものではなく、
その患者さんに合った人工血管を選ぶことです。

患者さん一人ひとりに合ったシャントを選び、
安心して透析生活を送っていただくことがとても大切だと考えています。

 

【診療案内】

以下のような方は一度ご相談ください。

・人工血管(AVG)によるシャントを勧められた方

・人工血管と自己血管(AVF)の違いについて知りたい方

・高齢でシャント手術について相談したい方

・シャントを作り直す必要があると言われた方

・できるだけカテーテルを使わずに透析を始めたい方

・他院でシャント治療をご検討中の方

※他院通院中の方は、まず主治医の先生とご相談ください。

まずはご相談だけでも構いません。
→ 広瀬クリニックの診療案内

初めて受診を検討されている方はこちらをご覧ください
→ 初めての方へ

 

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長崎市 広瀬クリニック 院長 廣瀬弥幸

医療法人陽蘭会 広瀬クリニック

廣瀬 弥幸

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