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医療安全管理者養成講習会 アドバンストコースを受講しました

[2021.08.30]

 新型コロナウイルス感染者数が増えていて、現在は特に院内感染対策に注力しています。一方で、医療機関では感染対策と並んで医療安全も最重要課題です。医療安全は複雑で業務量も多く、病院では専門の部署を作っており、特に大きな病院になると医療安全だけに特化したスタッフを充てることが多いようです。広瀬クリニックでは医療安全だけするスタッフを作ることは困難なので、医療事故対策委員会で対策等の活動をしています。私は体系的に医療安全について学びたいと考え、日本病院会のプログラムを受講しましたので、ここでご紹介したいと思います。

【医療安全管理者養成課程講習会】

 私は2017年に「医療安全管理者養成課程講習会」を受講しました。これは具体的な医療安全対策や、医療を提供するうえでの品質管理の基本や実務指導に至るまでを幅広く研鑽するもので、様々なことを勉強しました。

 参加者のほとんどが病院の、中でも医療安全部門の方が多かったです。広瀬クリニックは診療所ですが、血液透析・シャントの手術などの高度な医療を行っていますし、腎臓内科や透析の患者さんでも安全対策が重要で、また患者さんが期待する医療安全の水準は病院と同等だと考え、受講することにしました。なお、主催は「日本病院会」ですが、病院所属ではなく有床診療所の所属である私も、問題なく受講させていただきました。

 合計6日間のプログラムは内容も多く、正直かなりきつかったです。が、最終的に認定証をいただき、日々の診療や広瀬クリニックの医療事故対応委員会での活動に勉強の内容を活かしています。

【医療安全管理者養成講習会 アドバンストコース】

 医療安全管理者養成課程講習会の継続学習の機会として、アドバンストコースが設定されていますので、今回これを受講しました。

 初めに「問題解決」についての座学がありました。問題解決には様々なステップがあり、論理的に問題解決を図るための手法がいくつもあって勉強になりました。どんな組織でも様々な課題があると思いますが、その解決は容易ではないことが多く、一方で解決のための時間や労力は限られていますので、個人的には「テーマの選択」が重要だと感じました。また、「真因追跡」というステップでは特に重要な原因を特定して解決を図ることを考えるのですが、日々の医療安全活動でも深く考えることが大切だと思いました。

 アドバンスコースの半分以上の時間はグループワークに充てられていました。新型コロナウイルス対策のため講習会全体がウェビナーで行われたのですが、グループワークではブレイクアウトルームを活用して数人のグループで議論することができました。議論の内容は、グーグルスライドを使ってグループ全員で作成する等の工夫がされており、webであっても問題なくグループワークができました。私のグループでは医師は私だけで、様々な職種の方がおられました。それぞれに視点が違うので、いろいろな意見が出てきて、有意義な時間でした。

【患者さんへのお願い】

 医療は患者さんと医療スタッフが協力していくことが大切ですが、それは医療安全についても同じだと私は考えています。患者さんが、

「それ、私の薬かな?」

「いつもと違うけど大丈夫かな?」

と感じることがあるかもしれません。そのようなことを医療スタッフに伝えることは、患者さんにとっては難しいことかもしれません。しかし、医療は安全であるべきという想いは我々も同じです。当院を受診される方で何かお気づきのことがありましたら、ぜひスタッフにお声がけください。そのような際には確認をさせていただきます。

【おわりに】

 医療安全では「To err is human=人間は必ず間違える」と言われています。しかしできるだけの対策をして、患者さんが安心で安全な医療を受けられるように、スタッフも安心して医療が提供できるように、努めていきたいと思います。

【参考】

日本病院会ホームページ

https://www.hospital.or.jp/pdf/08_20170404_01.pdf

http://www.hospital.or.jp/pdf/08_20210801_02.pdf

広瀬クリニック 医療事故対策委員会

医療法人陽蘭会 広瀬クリニック

廣瀬 弥幸

プロフィール等

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