医療経営士の機関誌「理論と実践」への連載:第5回 国際生活機能分類(ICF)の取り入れ方
前回は国際生活機能分類(ICF)の考え方についてご紹介しました。
第5回ではICFの具体的な活用方法をお伝えしています。
①生活機能の保持と連携に活用する
皆さんが入院したときには、病気やけがを治してもらいたいのはもちろんですが、それ以外に「以前の生活に戻りたい」「仕儀に復帰したい」「趣味も再開したい」ということも当然に思っていることだと思います。しかし、生活機能が低下してしまって、元の生活に戻ることが難しくなる場合もよくあります。入院した時点から「生活機能の改善」も「病気の回復」と同じようにゴールの一つにする、あるいは他医療機関や介護との連携の際に生活機能の情報を共有する等、ICFの考え方は重要です
②実際にICFに基づいた生活機能評価が簡単にできます
ICFの考え方をわかっていただいても、実際に使うとなると困りますよね。現場やご自宅でできる評価方法として、障害評価面接基準(WHO Disability Assessment Schedule;WHODAS 2.0)というものがあります。これはWHOが開発したもので、生活機能を5-20分程度で評価できるものです。今回はWHODAS 2.0についてもご紹介しています。
よりよい連携のための「共通言語」であるICFを、多くの人に知っていただけると幸いです。