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医療経営士の機関誌である「理論と実践」への連載:第3回「地域は大きな病棟」

[2024.11.01]

連携に関する連載、今回は第3回のご紹介です。

長崎大学病院に勤務していたときには、院内に全ての専門分野の医師がいて、看護師や薬剤師をはじめとした様々な医療の専門職もおられて、高度な医療機器も完備されていましたので、ある意味では何不自由なく診療を行うことができました。

一方、広瀬クリニックで勤務するようになると、医師は二人だけでしたし、CTやMRI等もありません。また、広瀬クリニックでの勤務では診療も大事ですが、より生活支援の重要性が高くなりました。

広瀬クリニックに、より多くの診療科の医師を雇って、医療機器や入院設備を充実させて拡大していく、あるいは介護施設も立ち上げてグループ化していくという経営戦略も考えられました。しかし、介護の勉強をしてケアマネジャーの資格を取得したり、長崎在宅ドクターネットに参加して在宅医療の勉強をしたり、近隣のクリニックの様々な専門領域を持つ先生方と交流したりしているうちに、広瀬クリニックの周辺には医療介護資源(施設)が多いこともあって、「地域は大きな病棟」あるいは「地域は巨大な医療介護複合施設」であると考えるようになりました。

外来医療の需要はすでに全国的に減少傾向で、入院医療の需要は長崎市でもピークを越えつつあります。医療でも人手不足が進行しており、医療機器をはじめとして物価は上がり、病院建築単価も10年間で2倍以上になっています。これらのことから、現在は医療の機能分化が進められ、それぞれの医療機関が得意領域で力を発揮し、そうでない領域では有効に連携することが求められています。拡大路線ではなく、周囲との連携を深めるという広瀬クリニックでの取り組みをご一読いただけますと幸いです。

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第3回連載

『理論と実践 No.43』(一般社団法人日本医療経営実践協会発行)より許可を得て転載

医療法人陽蘭会 広瀬クリニック

廣瀬 弥幸

プロフィール等

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