eGFR45未満と言われた方へ|数値の意味と次にすることを腎臓専門医が解説
eGFR45未満は、
腎臓専門医への相談が勧められることが多い段階です。
すぐに透析が必要なわけではありませんが、
今後の変化に注意が必要な時期でもあります。
健康診断や採血結果で、
「eGFRが低いですね」
「腎臓の数値が少し悪いですね」
と言われたり、気づいたりして、
不安になったことはありませんか。
eGFRやクレアチニンという言葉を見ても、
「何がどれくらい悪いのか」
「透析になるのか」
「どうすればよいのか」
分からず戸惑う方は少なくありません。
この記事では、
健康診断でよく見る「腎臓の数値」について、
基本的な考え方を整理してお話しします。
腎臓の数値とは何を見ているのか
腎臓の状態をみる代表的な指標は、
・クレアチニン
・eGFR
・尿たんぱく
などです。
クレアチニンは体内の老廃物の一つで、
腎臓の働きが低下すると上昇します。
eGFRは、
そのクレアチニン値と年齢・性別などから計算される、
「腎臓がどれくらい働いているかの目安」です。
クレアチニンについては、こちらの記事もご覧ください。
→クレアチニンが高いと言われたら|数値の見方・eGFR・次にすることを腎臓専門医が解説
現在は、
クレアチニン単独よりも、
eGFRで腎機能を判断することが多くなっています。
一般的には、
・eGFR60未満 → CKDの可能性
・eGFR30未満 → 進行した状態
・eGFR20前後 → 透析準備を考える段階
とされます。
ただし、
実際には数値だけで単純に決まるわけではありません。
※基準値は年齢や施設によって異なる場合があります
eGFRだけで決まるわけではありません
腎臓病では、
・年齢
・体格
・尿検査
・これまでの経過
などによって、
数値の意味が変わることがあります。
例えば高齢の方では、
ある程度eGFRが低下していても、
長期間安定していることがあります。
逆に、若い方では、
軽度の低下でも注意が必要になる場合があります。
また、eGFRは脱水や体調などによって、
一時的に低下して見えることもあります。
健康診断で初めて低下を指摘された場合には、
まずはかかりつけ医などで再検査を行い、
その後の変化を確認していくことも大切です。
一方で、
短期間で急速にeGFRが低下している場合には、
腎臓病が進行している可能性もあります。
つまり、eGFRは経過を追って変化を見なければ、
ある程度安心して様子を見ていいのか、
それとも腎臓病が進行中で精密検査や治療が必要なのか、
わからないのです。
腎臓専門医としては、eGFR45前後の方では、この点を見極めたいと考えています。
以前の採血結果と比べて、例えばeGFRが55→39など、
数か月〜1年程度で数値が大きく変化している場合には、
腎臓専門医へ相談してみてもよいかもしれません。
長崎県の受診目安
長崎県では、
CKD重症化予防のため、
次のような受診基準が示されています。
【健診結果からかかりつけ医への紹介基準】
・尿蛋白(+)以上
・尿蛋白(±)が2年連続みられた場合
・40歳未満:eGFR 60 mL/分/1.73㎡未満
・40歳以上:eGFR 45 mL/分/1.73㎡未満
【腎臓専門医への紹介基準(一部要約)】
・eGFR45未満
・蛋白尿(+)
・3か月で30%以上、腎機能が悪化している場合
つまり、
「eGFRの数値だけ」で決まるわけではなく、
・尿検査
・経過
・年齢
なども含めて考えることが大切です。
eGFR45前後の方へ:どうしたらよいか
まずは、「今すぐ透析という状態ではないこと」と、
「経過を見ることが重要な時期であること」を知っていただきたいと思います。
eGFR45前後では、ほとんど症状も出ませんので、
結果を見て驚いた方もおられるかと思います。
しかし、eGFR45は、
すぐに大事に至る段階ではありません。
一方で、
「今後の変化には注意した方がよい時期」
とも言えます。
特に重要なのは、
・eGFRの変化の速さ
・尿たんぱく
・高血圧や糖尿病
などを含めて、
定期的に、長期的にみていき、悪化を防ぐことです。
健診で軽度の異常のみで、
長期間安定している方では、
まずはかかりつけ医で経過を見る場合もあります。
一方で、eGFR40を下回る方や、悪化傾向がある方では、
一度、腎臓専門医に相談する時期かもしれません。
また、eGFRは数字そのものだけでなく、低下するスピードも重要です。
例えば1年で10程度低下している場合には、
一度原因を確認した方がよいことがあります。
→ eGFRが1年で10下がったとき|低下スピードが速い方へ、専門医が解説
最後に
慢性腎臓病の方は多く、新たな国民病とも言われています。
腎臓の数値を見て不安になることは、
決して特別なことではありません。
しかし、「何を見ている数値なのか」
を理解すると、
少し落ち着いて考えやすくなります。
そして、気になる場合は、
かかりつけ医や腎臓専門医に相談してみてください。
「気づけたこと」そのものが、
あなたにとって、とても大切なことだと思います。
【診療案内】
以下のような方は、一度ご相談ください。
・eGFRが低い(45未満など)と指摘された方、
またはご自身で数値が気になっている方
・たんぱく尿や血尿を指摘された方
・透析が必要と言われたが、まだ迷っている方
まずはご相談だけでも構いません。
初めて受診を検討されている方はこちらをご覧ください
→ 初めての方へ
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廣瀬 弥幸
