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腎臓の病気が進んだときに、自分を責めないで

[2026.02.18]

腎臓の病気には、さまざまな種類があります。

その中で、長い時間をかけて少しずつ腎臓の働きが低下してきた方、

ある程度以上まで腎機能が悪くなってきた方では、

残念ながら腎臓の働きが元に戻ることは難しいと判断されるケースが多くあります。

 

eGFR が 30 を下回っている方の場合、

治療によって進行をゆるやかにすることは期待できますが、

腎機能そのものが大きく改善することは、

一般的には多くありません

(これは患者さんの状況によって異なりますので、かかりつけの先生や腎臓専門医にご相談ください)

 

腎臓の病気は自覚症状がほとんどないため、

初期では治療のモチベーションを保つことが難しい病気です。

しかしeGFR が 30 を切ってくると、

「透析」という言葉が現実味を帯びてきて、

治療をより一生懸命がんばろうとされる方が多くなってきます。

 

食事制限を守り、

薬をきちんと飲み、

血圧や体重を毎日測りながら、

「何とか透析を先延ばしにしたい」と努力されている姿は、

診療の中でよく伝わってきます。

 

それでも、長い目で見ると、

eGFR は少しずつ下がっていくことが多いのが現実です。

腎臓に病気のない方でも、腎機能は年に約 1%ずつ低下すると言われています。

腎臓病がある方では、その低下のスピードが、より速くなります。

 

治療を一生懸命がんばっているのに数字が下がると、

患者さんはとても落ち込まれます。

がんばっている方ほど、つらさも大きくなりがちです。

私が、こうした方々に一番お伝えしたいのは、

これは患者さんのせいではない、ということです。

 

一度傷んでしまった腎臓は悪くなりやすく、

腎機能を回復させる特効薬は、今のところありません。

長い時間をかけて病気と向き合ってこられた方が、

さらに自分を責める必要はないと、私は思っています。

 

しかし、診察室で数字を前にして落ち込んでおられる患者さんに、

この思いがその場で届くことは、正直なところ多くありません。

それは自然なことであり、やむを得ないことでもあります。

だからこそ、このようにブログという形で書いています。

 

この段階まで腎臓の病気が進んでおられる方は、

腎臓ご専門の医師や看護師、管理栄養士とともに、

治療に取り組んでおられることと思います。

それに加えて、これまでのあなたの人生や背景を知っている

かかりつけの先生に相談してみるというのも、

一つの方法かもしれません。

数字だけでは整理しきれない気持ちを、

受け止めてもらえることもあります。

 

腎機能がさらに低下すると、

血液透析、腹膜透析、腎移植といった次の治療の準備が必要になります。

誰にとっても望ましいことではありませんが、

適切なタイミングで治療に入ることで、

救急搬送や長期入院、体力の大きな低下を避けられることもあります。

 

透析が始まっても、

人生が終わるわけではありません。

透析になっても、制限の中で人生を楽しんでおられる方は、

たくさんいらっしゃいます。

 

どうか、腎臓の数値が悪くなっても、自分を責めないでください

そして少しずつで構いませんので、

その先の治療について知り、相談しながら、

ご自身に合った選択を考えていただければと思います。

 

私は、そのお手伝いができればと思っています。

 

医療法人陽蘭会 広瀬クリニック

廣瀬 弥幸

プロフィール等

 

 

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