透析と介護は両立できる?家族の1週間スケジュール例を医師が解説
透析と介護を、具体的にどう両立していくのかを知りたい方へ
ご家族が透析を受けることになったとき、
- 介護と両立できるのか
- 自分の生活はどうなるのか
と不安に感じる方は多いと思います。
透析は週3回の通院が必要な治療であり、長く続いていくものです。
そのため、ご本人だけでなく、
ご家族の生活にも影響が出ることは確かです。
一方で、工夫次第でご家族の負担を軽くしながら、
生活を続けていくことは十分可能です。
ここでは、実際の現場でよくある形をもとに、
透析と介護を両立しているご家庭のスケジュール例と考え方についてお話しします。
※ご家族としての関わり方に悩まれている方は、こちらの記事もご覧ください
透析と介護は「組み合わせ」で考える
透析と介護は、それぞれ単独で考えると負担が大きく感じられます。
しかし実際には、
- 透析日
- デイサービス利用日
- 自宅で過ごす日
をうまく組み合わせることで、生活のバランスを取ることができます。
スケジュールの一例
【患者さんの1週間の流れ】 透析日とデイサービスをうまく組み合わせることで、ご本人が外の刺激を受けながら、規則正しい生活を送るためのスケジュール例です。
【ご家族が「お休み」できる時間】 黄色の部分は、ご家族が介護から離れられる時間です。ご自身の仕事や趣味、心身の休息を大切にすることが、長く寄り添い続けるための秘訣です。
図の見方とポイント
このスケジュールでは、
- 月・水・金:透析日
→ ご本人はクリニックで治療
→ ご家族は仕事や用事、ご自身の受診などの時間に充てることができます - 火・木・土:デイサービス利用日
→ ご本人は施設で過ごす
→ ご家族は休息や趣味の時間を確保できます
ご家族にとって大切なこと
ここで大切なのは、
「常に付き添い続ける必要はない」ということです
透析の時間は医療機関に任せることができますし、
デイサービスを利用することで、ご家族の時間を確保することもできます。
「休める時間」を作ることがとても大切です
介護は、「何をするか」だけでなく、
「どれだけ休めるか」
がとても重要です。
- 透析の日
- デイサービスの日
は、ご家族にとっての「休息(介護お休み)」の時間でもあります。
この時間を
- 仕事
- 自分の受診
- 休養
- 趣味
などに使うことで、無理のない形で生活を続けることができます。
夜間について
「夜はどうなるのか」と心配される方もいらっしゃいますが、
透析患者さんだからと言って、
夜間に特別な介護が必要になることは多くありません
(もちろん個人差はあります)
日中に透析やデイサービスをうまく活用することで、ご本人の生活リズムが整いやすくなります。
ご家族も、夜間はご自身の休息にあてられるよう、
日中のサービスをフル活用して「日中にプロの手を借りる」ことが、共倒れを防ぐ鍵になります。
もちろん個人差はありますが、
多くの場合、ご自宅で通常の生活を送ることができ、
ご家族も休息の時間を確保できます
すべてを家族で抱えない
透析や介護が必要になると、
「家族がやらなければならない」と感じてしまう方も多いのですが、
すべてを家族だけで抱える必要はありません
- デイサービス
- 訪問看護
- ケアマネジャー
- 医療機関
などを活用することで、負担を分散することができます。
当院でもケアマネジャーさんと連携しながら、
ご家族の負担をどう減らせるか一緒に考えています。
また、ご家族としての関わり方や、
無理を抱え込みすぎないことについては、こちらの記事でもお話ししています。
介護サービスの利用と準備はお早めに
透析と介護を両立していくうえで大切なのは、
早めに相談し、準備しておくことです。
介護サービスを利用するためには要介護認定が必要ですが、
申請から利用開始までには、数週間から1か月程度かかることもあります。
そのため、少し不安を感じた時点で、
地域包括支援センターやケアマネジャーへ早めに相談することが重要です。
一人で抱え込まないことがとても大切です
介護や医療には、支えるための仕組みがあります。
介護保険では、
- デイサービス
- 訪問介護・訪問看護
- 福祉用具のレンタル
に加えて、
手すりの設置などの住宅改修への支援もあります。
転倒予防のためにも、
早めの環境整備(転ばぬ先の杖)は重要です。
通院の方法について
透析や外来通院では、移動手段も重要になります。
- ご家族による送迎
- 医療機関の無料送迎(※条件あり)
- 介護保険を利用した送迎(※要件あり)
- 福祉タクシー(※費用負担あり)
ご本人の状態やご家庭の状況に応じて選択することが大切です。
他の医療機関との関わり
介護が必要な方では、
複数の病気を抱えていることが多く、他の医療機関を受診することもあります。
ここでも医療と介護の連携が重要になります。
介護施設について
経済的な負担はありますが、
どうしても自宅での生活が難しくなった場合、
透析を受けている方でも、
透析患者さんを受け入れている介護施設を利用できる場合があります。
選択肢として知っておくことは大切です。
介護施設への入所や、
医療・介護の連携について不安を感じておられる方は、
こちらの記事もご参照ください。
→透析を受けている方は介護施設に入所できる?|ご家族が知っておきたい現実と対応
最後に
透析と介護は、確かに大きな変化ですが、
工夫することで、患者さんもご家族も、
生活を保ちながら続けていくことができます
大切なのは、
- 完璧に支えることではなく
- 無理なく続けること
です。
そして、
ご家族ご自身の生活や時間も、大切にしていただきたいと思います
困ったときには、医療機関や介護サービスにご相談ください。
支える仕組みも、医療の大切な一部です。
透析や治療について考える前の段階で、
「腎臓の数値がどのくらいなのか」を確認することも大切です。
【参考記事】
腎臓病や透析の患者さんを、家族はどう支える?|無理をしない関わり方を専門医が解説
透析を始めるときの流れ|入院・通院・不安について透析医の視点でお話しします
透析は本当につらい治療なのか ――透析医として患者さんを見てきて思うこと―
透析と言われたらどうすればいい? ――準備と考え方を腎臓内科医が説明 ――
【私がこの治療で大切にしている考え】
私がこの治療で大切にしている考えについては、
こちらの記事でも、少し詳しくお伝えしています。
【よく読まれています】
腎臓病と透析についてまとめたページはこちら
【診療案内】
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・健康診断で腎臓の数値が気になると言われた方
・たんぱく尿や血尿を指摘された方
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医療法人陽蘭会 広瀬クリニック
廣瀬 弥幸
