透析を受けている方は介護施設に入所できる?|ご家族が知っておきたい現実と対応
透析を受けている方が、介護施設への入所を検討される場面はよくあります。
一方で、長崎市でも「透析患者さんは対応できない」と断られてしまうことは実際にありますし、
透析患者さんの受け入れに悩まれる介護施設は少なくありません。
ここでは、現場で感じている実際の状況と、
どのようにすれば透析患者さんが介護施設に入所できるのかについてお話しします。
透析患者さんの受け入れが難しい理由
介護施設の方からよく伺うのは、次のような不安です。
・通院の対応が難しい(送迎ができない)
・シャントの管理や、トラブル対応ができるか不安
・透析患者さんに対応する食事の提供が難しい
・医療的な管理が多くなるのではないか
いずれももっともなご心配だと思います。
実際には、医療側で対応できることが多い
しかし実際には、こうした点の多くは医療機関側で対応可能です。
例えば広瀬クリニック(長崎市)では、
・透析の通院は当院の無料送迎で対応(条件あり)
・シャントのトラブル対応は医療機関で実施
(介護施設で専門的な対応を求めることは基本的にありません)
・食事療法は厳密にしすぎず現実的に対応
・透析をしていない時間帯は、特別な医療処置はほとんど不要
といった形で、介護施設側の負担をできるだけ減らすようにしています。
透析患者さんの生活の実際と医療・介護の役割分担
透析患者さんも、ケアを必要とする一人の利用者さんです。
週3回の通院はありますが、日常生活は比較的安定している方が多く、
・排尿が少ない、あるいはないことでケアがシンプルになる場合がある
・生活リズムが整いやすい
・通院中は、施設でのケアは不要
・体調の変化は週3回の診察で確認できる
といった特徴もあります。
大切なのは、
医療機関と介護施設が役割分担をすることです。
医療は医療機関で、生活は施設で、という形で連携が取れれば、
介護施設での透析患者さんの受け入れは可能というケースは少なくありません。
実際に、これまで透析患者さんの受け入れ経験がなかった介護施設でも、
連携をきっかけに対応していただけるようになった例がいくつもありました。
実際の連携の例
広瀬クリニックでは特定の介護施設を併設していませんが、
その分、地域のさまざまな介護施設と連携しながら、
それぞれの状況に合わせた対応を行っています。
例えば、
・介護施設の送迎車と医療機関の送迎を組み合わせて通院されているケース
・要介護4の方が、送迎を利用しながら長期間施設生活を継続されているケース
・複数の透析患者さんが同一施設に入所し、通院を効率化できているケース
など、施設と協力しながら柔軟に対応できている例があります。
また、私たちは医師・看護師・管理栄養士で介護施設へ訪問し、
受け入れについてご相談させていただくこともあります。
実際にそうした関わりをきっかけに、受け入れが可能になった施設もありました。
介護施設で穏やかに、あるいは楽しく生活されているお話を伺うことも多く、
そのような形で生活が続いていくことを私たちも大切にしたいと考えています。
医療と介護の相互理解
医療側にとっても、介護の現場の考え方やご事情を知ることは大変重要です。
お互いの立場を理解しながら連携していくことが、
よりよい医療とケアにつながると感じています。
当院では夜間も看護師が常駐しており、
お電話でのご相談も可能です。
また私は2018年にケアマネジャーの資格を取得しており、
一定の講習や実務実習を通じて、介護の現場の考え方について学んできました。
医療と介護の双方の視点を意識した診療を大切にしています。
ご家族・施設の方へ
透析があることで施設入所をあきらめてしまう前に、
一度ご相談いただくことが大切です。
特に、透析施設が変わることは、
通院環境や医療スタッフとの関係性が大きく変わることを意味し、
患者さんにとって負担や不安が大きくなる場合があります。
これまで通ってこられた医療機関での透析を継続できるかどうかも含めて、
事前に調整することが、安心して生活を続けていくうえで重要になります。
介護施設へのお申し込みの前にご相談いただくことで、
受け入れが可能な介護施設のご案内や、
スムーズな連携につながる場合があります。
最後に
透析と介護は、確かに負担の大きい組み合わせですが、
工夫と連携によって両立することは十分可能です。
少しでも受け入れてくださる介護施設が増えることで、
透析患者さんの人生の選択肢は広がります。
長崎市で透析や腎臓のことでお困りの際は、
広瀬クリニックでもご相談をお受けしています。
ご本人やご家族だけでなく、介護施設の方からのご相談も受け付けています。
※ご家族としての関わり方に悩まれている方は、こちらの記事もご覧ください
※透析や治療について考える前の段階で、
「腎臓の数値がどのくらいなのか」を確認することも大切です。
→ eGFRがいくつだと心配?
【参考記事】
腎臓病や透析の患者さんを、家族はどう支える?|無理をしない関わり方を専門医が解説
透析と介護は両立できる?家族の1週間スケジュール例を医師が解説
透析を始めるときの流れ|入院・通院・不安について透析医の視点でお話しします
透析は本当につらい治療なのか ――透析医として患者さんを見てきて思うこと―
透析と言われたらどうすればいい? ――準備と考え方を腎臓内科医が説明 ――
【私がこの治療で大切にしている考え】
私がこの治療で大切にしている考えについては、
こちらの記事でも、少し詳しくお伝えしています。
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腎臓病と透析についてまとめたページはこちら
【診療案内】
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・健康診断で腎臓の数値が気になると言われた方
・たんぱく尿や血尿を指摘された方
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医療法人陽蘭会 広瀬クリニック
廣瀬 弥幸
