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eGFRが10になったら|体の状態と透析の準備を始める時期について腎臓専門医が解説

[2026.05.25]

 

eGFRが10を切る頃は、
透析の準備を具体的に始める時期にあたります。

eGFRが10になった、あるいは1桁になった――
これは腎臓のはたらきが正常の10%以下になってきたという状態です。

透析をするかどうかは「人生の選択」でもあります。

そしてこの段階は、
その選択を実として考え、準備を始める時期にあたります。

 

体の中で何が起きているか

腎臓は、はたらきがかなり低下しても症状が出にくいのですが、
eGFRが10を切る頃になると、体の中ではさまざまな変化が起きています。

尿毒症物質が体にたまり、

・体のだるさ
・食欲不振
・むくみ

などが出てくる方もおられます。

また、水分をうまく排出できず、
胸やお腹に水がたまることもあります。

血液検査でも、
電解質や酸性・アルカリ性のバランスが崩れてきます。

この段階では、症状がなくても、薬で調整しながら、
「なんとかバランスを保っている」状態のことも少なくありません。

 

今やるべきこと

腎臓のはたらきがここまで低下すると、

・血液透析
・腹膜透析
・腎移植

といった治療を考える時期になります。

腎移植はすぐに行えることが多くないため、
この段階では、透析の準備を進めておくことが大切です。

透析について考える時期になると、
「本当に透析を受けるべきなのか」
「どのように生きていきたいのか」
と迷われる方も少なくありません。

近年は、
SDM(共同意思決定)
という考え方が重視されています。

これは、
医療者が一方的に決めるのではなく、
患者さんやご家族と一緒に考えていくという考え方です。

以下の記事で詳しくお話ししています。

透析をするかどうか迷ったときに|専門医と一緒に考える「これからの人生」(SDM)

 

専門医としての考え

透析を受けたいと思う方は、ほとんどいらっしゃいません。

・できればこのままでいたい
・自分の食事療法などが悪かったのではないか
・もっとできることがあるのではないか
・今の治療を続けて、本当に必要になるまで透析はしたくない

と思うのは、とても自然なことです。
多くの方が、同じように悩まれます。

しかし、この段階で大切なのは、
「できるだけ良い形で透析を始めること」だと考えています。

腎臓のはたらきがここまで低下すると、
薬で何とか保っている状態のことも多く、
風邪などの軽いきっかけでも急に状態が悪くなることがあります。

その結果、緊急入院となり、体力が落ちてしまい、
元の生活に戻れなくなるケースも少なくありません。

また、この時期は感染症などの健康上のトラブルが起きやすい時期でもあります。

だからこそ、緊急事態ではなく、
「健康上の問題がないうちに、計画的に」透析の準備を始めることが重要です。

一方で、余裕をもって準備を進め、
落ち着いた状態で透析を始めることができた方は、
その後の生活が安定しやすいと感じています。

透析が始まると大変な面もありますが、
体調が整い、食事がとれるようになり、
生活が安定してくる方も多くいらっしゃいます。

この時期は、まだ時間の余裕がある一方で、
「そろそろ目をそらさずに向き合う時期」にもあたります。

今すぐすべてを決める必要はありませんが、
少しずつ準備を進めていくことで、
結果としてご自身の選択の幅が広がり、
落ち着いた形で次の段階に進むことができます。

決めることから逃げないことは大切ですが、
同時に、ご自身を追い詰めすぎないことも同じくらい大切です。

 

※ご家族としての関わり方に悩まれている方は、以下もご覧ください

腎臓病や透析の患者さんを、家族はどう支える?|無理をしない関わり方を専門医が解説

透析と介護は両立できる?家族の1週間スケジュール例を医師が解説

透析を受けている方は介護施設に入所できる?|ご家族が知っておきたい現実と対応

 

まとめ

私たちは、腎臓病や透析の診療を通して、
さまざまな方の人生に関わってきました。

思うようにいかないことや、
受け入れがたいことに向き合う場面もあります。

「できれば避けたい」と思う気持ちも、
「なぜ自分が」と感じることも、
どれも自然なことだと思います。

それでも、その中で少しずつ折り合いをつけながら、
ご自身の生活を大切にし、
穏やかに日々を過ごしておられる方も多くいらっしゃいます。

私たちは、そうした時間を支えることができればと考えています。

透析になっても、人生は続きます。
その中には、大変なことだけでなく、
日常の中の小さな楽しみや、喜びもあります。

つらいときには、つらいとお話しください。
不安なときには、ご相談ください。

そして、もし日々の中でよいことがあれば、
そのこともぜひ教えていただければと思います。

私たちは、そのすべてを含めて、
一緒に考えていきたいと思っています。

 

【診療案内】

以下のような方は、一度ご相談ください。

・eGFRが低い(45未満など)と指摘された方、
 またはご自身で数値が気になっている方 
・たんぱく尿や血尿を指摘された方 
・透析が必要と言われたが、まだ迷っている方 

まずはご相談だけでも構いません。

→ 広瀬クリニックの診療案内

初めて受診を検討されている方はこちらをご覧ください
→ 初めての方へ

 

 

【eGFRがさらに低下している方へ】

eGFRがいくつだと心配?|危険の目安と受診の考え方を専門医が解説

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