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新型コロナウイルス対策:これまでとこれから

[2020.06.06]

 新型コロナウイルスの緊急事態解除宣言が出されました。これまでの皆様の努力の成果によって感染は抑えられてきた成果だと思いますが、5月後半から6月初旬でも1日あたり数十人の新規の感染が報告されています。第2波、第3波が来ることは確実視されており、ワクチンや治療薬も確立されておらず、これからも感染対策は重要です。

 

【新型コロナウイルス対策:当院のこれまで】

 当院では3年ほど前から、長崎感染制御ネットワークが行っている「サイトビジット」を利用して、感染症専門の医師や看護師からアドバイスをいただいて院内感染対策の強化をしてまいりました。

 サイトビジットによる改善や一般に言われている対策以外に、今回の新型コロナウイルスについて当院では以下のような対策も行ってきました。

 

・新型コロナウイルス対策の教育

 長崎大学病院感染制御教育センターが公開している対策動画を、スタッフ全員で共有しました。また、この動画について口頭やブログでご紹介しており、ある取引業者の方から勉強になったとの声をいただきました。

 

・環境整備

 3密を回避・軽減するために、エレベーター内や透析前の体重測定待ちの際に距離を保つよう、立つ場所がわかるように床に表示をしました。また、エレベーターは定員を3名としました。

 クリニック全体で換気を強化しました。少し寒い時期もありましたが、患者さんにも協力をしていただいています。

 

・食事の対策

 外来透析患者さんに食事について、衝立を立てる等の対策をしました。

 4月末からは食事の提供自体を中止し、お弁当等を持ち込むことも控えていただきました。これらについては近々再開の予定です。

 

・腎臓内科外来の対応

 透析を受けておられない方を対象にしている腎臓内科外来では、症状やご希望により受診する間隔を調整しています。また、状態が安定されている患者さんについては、流行時には受診することなく調剤薬局でお薬を入手できる仕組みを整えています。

 

・急がないご紹介の延期

 当院は他医療機関との連携を重視し、必要があれば積極的に専門の医師にご紹介しています。しかし新型コロナウイルスのリスクがあること、また新型コロナウイルス対策で紹介先の医療機関が多忙となっている場合もあることから、必ずしも急がないご紹介は延期させていただいた例があります。

 

・体調や行動の記録、県外への移動について

 患者さんおよびスタッフについて、毎日の体温や体調、行動歴等の記録をお願いしています。また、県外への移動はできるだけ自粛していただき、移動する場合には事前に相談していただくようにしました。

 このようなお願いをしていましたら、家族の発熱や、県外から家族が戻ってくる等の情報もいただけるようになり、感染対策に大変役立っています。

 

・面会制限

 透析患者さんでは新型コロナウイルスのリスクが高いと言われていますので、面会を制限させていただいております。

 また、当院と取引業者の皆様との打ち合わせは、できるだけ電話などで行うようにしています。私は長崎大学病院や長崎みなとメディカルセンターの会議にも参加していますが、これらもweb会議で出席しています。

 

・スタッフの常時ゴーグル着用

 日本透析医会の「透析施設における標準的な透析操作と感染予防(5訂版)」では、血液透析の開始時や回収時のゴーグル着用が推奨されています。一方で、目の粘膜組織である「結膜」からも感染する可能性がある(1)と言われていますので、当院のスタッフに常時ゴーグルを着用することとしています。

 ※この常時ゴーグル着用にはエビデンスがあるわけではなく、あくまでも当院独自の取り組みです。

 

 他にも様々な対策を行いました。患者さん、介護や取引業者の皆様、当院スタッフ等、多くの方にご協力いただいていることに感謝申し上げます。

 

 

【これからの対策】

 これから梅雨を迎えて湿度が上がり、そして暑い夏がやってきます。インフルエンザや新型でないコロナウイルスの過去の傾向からして、夏場は新型コロナウイルスは減っていくことが想定されていました。しかし、日本の夏のような気候の国で多くの感染者が出ている事例があります。日本でどうなるかはまだわかりませんが、梅雨や夏であっても、必要な対策を続けていく必要はあると考えます。

 

 梅雨や夏については、風雨や冷房のために窓を閉めることによって、室内の換気が低下しがちになると思われます。風雨や冷房に関わらず、できるだけ換気は継続し、効果があるかわかりませんが当院では扇風機を増やして気流を作るように計画しています。

 

 これからの季節は台風や集中豪雨等の自然災害が起こりえます。2016年の熊本地震では、私は長崎大学病院感染制御教育センターの泉川教授らと災害派遣で感染対策の業務に従事しました。多くの方が共同生活をせざるを得ない避難所では、環境としても感染対策物資の不足等からしても感染対策自体が難しいですし、風評も非常に大きな問題です。災害自体や避難生活への備えが重要です。

 

 次の冬に、新型コロナウイルス感染症が増える可能性は十分あります。先に書きました他医療機関へのご紹介や、当院でしたら建物の修繕工事など、人の動きを伴う活動は、夏の時期にできるだけ済ませてから冬を迎えたいと考えています。

 

 個別の医療機関での対策の他、長崎県腎不全対策協議会や長崎県透析医会より透析医療の継続について長崎県等の行政の皆様にご相談し、今後に備えています。一つの医療機関だけでなく、グループで、あるいは地域での対策も考えておく必要があります。

 

 今後も新型コロナウイルスへの対策は続きます。まだまだ分からないことが多いのが現状ですが、この数か月の経験は今後に活きる他、わからないながらもそれぞれで考えて備えをすることの重要性を学びました。今ある情報の中から次はどうするかを考えて対策し、次の冬が明ける頃に「取り越し苦労になってよかった」と言うことができれば、幸いだと思います。

 

【長崎大学病院感染制御教育センターの感染対策動画のご紹介】

新型コロナウイルス感染症に対する個人防護具の適切な着脱方法

~医療従事者が新型コロナウイルス感染症に感染しないために~

http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/kouhou/topics/2020/3/1/

 

福祉・介護施設における新型コロナウイルス感染症の対策

http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/kouhou/topics/2020/3/3/index.html

    ※長崎大学病院感染制御教育センター 泉川公一教授に掲載の許可を得ております

 

【参考資料】

(1) 日本眼科学会 新型コロナウイルス感染症の目に関する情報について(国民の皆様へ)

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