血液透析を考え始めた方へ|知っておきたい合併症と対策
※2026年6月に内容を見直しています。
透析が必要と言われると、
「透析ってどんな合併症があるんだろう」
「怖いことばかりじゃないだろうか」
と不安になる方も多いと思います。
腎臓のはたらきが大きく低下した場合には、
・血液透析
・腹膜透析
・腎移植
のいずれかを考える必要があります。
このうち血液透析は、多くの患者さんが受けている治療ですが、
他の治療と同じように合併症が起こることがあります。
また、透析を受けていても患者さんは「腎不全」の状態ですので、
腎不全そのものによる影響も続きます。
ただし現在では、予防法や治療法も進歩しています。
できるだけ合併症を減らしながら生活するために、
患者さんご自身にも少し協力していただきながら、一緒に治療を続けていきます。
ここでは、血液透析で知っておきたい主な合併症についてご説明します。
【まず知っておきたい主な合併症】
比較的よく見られたり、生活への影響が大きかったりするものとして、
・感染症
・心臓や血管の病気(心血管疾患)
・シャントトラブル
・貧血
・かゆみ
があります。
【感染症】
腎不全の患者さんは、感染症に弱い状態です。
例えば、肺炎になりやすい、といったことです。
また、血液透析ではシャントに針を刺しますので、シャント感染や敗血症などが起こる可能性があります。
手洗い、体調管理、早めの相談が大切です。
【心血管疾患】
腎不全では動脈硬化が進みやすく、心臓や血管の病気が起こりやすくなります。
例)
・心筋梗塞
・心不全
・脳卒中
などです。
透析患者さんでは、この分野がとても重要になります。
【シャントトラブル】
シャントでは大量の血液が流れ、さらに毎回針を刺します。
そのため、
・狭窄(血管が細くなる)
・閉塞(血管が詰まる)
などが起こることがあります。
狭くなったり詰まったりしても治療法がありますが、
早く異常に気づくことが重要です。
【かゆみ】
透析を必要とする腎不全では、多くの方でかゆみが出ます。
皮膚だけの問題ではなく、腎不全やリンなどが関係することが多いです。
【貧血】
腎臓では血液を作るために必要な「エリスロポエチン」というホルモンを作っています。
腎不全ではこのホルモンが不足するため、
貧血が起こりやすくなります。
現在では薬剤による治療が進歩しており、
改善できることが多いです。
【その他の合併症】
その他にも、
・電解質異常(特に高カリウム血症)
・二次性副甲状腺機能亢進症
・アミロイドーシス
・不均衡症候群
・血圧変動
・筋肉のけいれん
・出血しやすさ
・薬剤の副作用
などがあります。
全部を覚える必要はありません。
まずは、「困ったら相談する」が大切です。
【合併症を防ぐために】
ご自身でできることとして、
・適度な運動
・感染対策
・薬を続ける
・食事に気をつける
・体調不良を早めに相談する
・高血圧や糖尿病をコントロールする
・定期検査を受ける
などがあります。
無理せずできる範囲で大丈夫です。
ぜひ心掛けていただきたいと思います。
【最後に】
合併症について読むと、不安になるかもしれません。
しかし、透析を受けることになっても人生は終わりではありません。
私は、趣味や仕事、人とのつながりを続けることも、とても大切だと思っています。
以前楽しんでいたこと、熱中していたことを思い出してみてください。
透析を受けながら続けられる方法は、意外とたくさんあります。
ご心配な時や困った時には、一人で抱え込まずに、主治医やスタッフに相談してください。
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廣瀬 弥幸
