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血液透析の合併症

[2020.06.27]

 残念ながら腎臓のはたらきが非常に悪くなって末期腎不全に至ってしまった場合には、血液透析・腹膜透析・腎移植のいずれかが必要になってきます。

 このうち血液透析が最も多くの患者さんに行われている治療ですが、他の治療と同じように、血液透析でも何らかの合併症が起きることがあります。また、血液透析を行っていても、患者さんは「腎不全」の状態ですので、腎不全自体による合併症も起きてくることがあります。できるだけ合併症が起きないように工夫して治療を行っていくのですが、患者さんご自身にもご協力いただく必要があります。

 

【血液透析の主な合併症】

・感染症:

腎不全の患者さんは、様々な感染症に弱い状態です。血液透析では、シャントに針を刺すため、シャントの感染症や敗血症が起きる可能性があります

 

・心血管疾患:

腎不全の患者さんでは動脈硬化が進みやすく、心臓病や、全身の血管が狭くなったり破れたりする病気が起きやすいと言われています

 (例)心不全、心筋梗塞、脳出血など

 

・かゆみ:

透析を必要とするような腎不全の方では、多くの方でかゆみが出ます

 

・貧血:

腎臓が悪くなると、血液を作るためのホルモンが腎臓で十分には作れなくなり、多くの方が貧血になります

 

・電解質異常:

腎不全のため、様々な電解質異常が起きる可能性があります。特に高カリウム血症は命に関わることがあるため、十分注意する必要があります

 

・二次性副甲状腺機能亢進症:

腎不全によってビタミンDやカルシウムが不足したり、リンがたまったりします。これに対して体の反応として副甲状腺ホルモンがたくさん分泌されるのですが、その結果として骨が弱くなったり動脈硬化が進んだりする状態になることがあります

 

・アミロイドーシス:

腎不全で体にたまる物質のなかには、血液透析で取り除けないものもがあります。β2-MGという物質が長い期間かけて骨や関節にたまり、手(手根管症候群)や首(破壊性脊椎症)、肩などに痛みやしびれなどが出現することがあります

 

・不均衡症候群:

血液透析を開始しておおよそ2週間以内では、透析後に頭痛・嘔気・嘔吐等の症状が出ることがあります

 

・血圧の変動:

血液透析を行っているときに、血圧が上昇したり低下したりすることがあります

 

・筋肉のけいれん:

透析の後半などに、筋肉のけいれん(こむら返り)がおきることがあります

 

・出血、皮下出血:

血液透析では、回路の中で血液が固まらないようにする薬剤を使用する必要がありますし、腎不全のため血小板のはたらきが低下することがあり、腎臓が悪くない方よりも出血しやすい状態にあります。

 

・内シャントの狭窄や閉塞:

血液の流れが非常に多いことや、血液透析のたびに針を刺すことなどのため、血管が狭くなったり詰まってしまったりすることがあります

 

・使用する薬剤の副作用:

どんな薬にも副作用があり、添付文書に数十種類の副作用が書かれることは珍しいことではありません。嘔気・嘔吐・じんましん・かゆみ・呼吸困難・血圧低下や、薬剤に特有な副作用が出現する可能性があります

 

 

【合併症を防ぐために】

 これらの合併症を防ぐためにご自分ができることとしては、

・適度な運動をする

・感染予防の対策をする

・体調不良などがあれば、早めに主治医やスタッフに相談する

・お薬をきちんと内服する。どうしても内服が難しいなどの場合は、主治医やスタッフに相談する

・水分や塩分やカリウムなど、食事について注意する。そういう中では難しいですが、必要な栄養はしっかり摂る

・高血圧や糖尿病などの病気をお持ちの方は、それぞれ治療によってコントロールする

・定期的な検査や専門医の受診など、主治医と相談の上で受ける

 などがあります。

 

 このようなことをたくさん読んでいると、頭の中が透析や病気のことで一杯になってしまうかもしれません。しかし、透析を受けることになっても人生は終わりではありませんし、私は趣味や人生を楽しむことも重要なことだと考えています。以前楽しんでいた趣味、熱中していたことを思い出してみてください。それを透析を受けながらできるかどうかご心配な時には、主治医やスタッフに相談することをお勧めいたします。

 

医療法人陽蘭会 広瀬クリニック

理事長・院長 廣瀬 弥幸

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